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• バーバリーの「トレンチコート」【おしゃれプロが推薦、大人の名品＆定番品 vol.10】
  ハーパーズ バザー的視点でONE OF A KINDな名品をピックアップする連載シリーズ。第10回はバーバリーの「トレンチコート」。
  【連載】おしゃれプロが推薦、大人の名品＆定番品
  
  モードの達人たちに愛されてきた名品と、知る人ぞ知る逸品を、ハーパーズ バザー的視点でピックアップする連載シリーズ。クオリティを裏打ちするストーリーや、ブランドのスピリットを掘り下げます。ファッションのプロに聞いた、愛用者の声にも注目を！
  王室御用達、英国を体現するトレンチコートの元祖
  
  
  
  
  
  
  
  
  バーバリーといえば「トレンチコート」。ブランド名を耳にして、そうイメージする人も多いのでは？　代表カラーのベージュと裏地のバーバリーチェック、そして立体的なシルエット……。時代を超えて愛されるこの1着は、英国のロイヤルファミリーの定番としても知られる王室御用達アイテム。伝統的なファブリックから防寒具として計算されたディテールまで、そのオーセンティックな魅力を再発見してみよう。
  
  始まりは「ギャバジン」という名のファブリック
  バーバリー
  COURTESY OF BURBERRY
  バーバリー創始者のトーマス・バーバリー。
  1879年、バーバリーの創始者であるトーマス・バーバリーはギャバジンという名前の新しい素材を開発して世に送り出した。ギャバジンとは、ひと言でいえば綾織のコットン地のこと。
  
  耐久性に優れ、雨風の侵入を強力に防ぐというのが特徴で、中でも当時画期的だったのが、“コットン素材なのに防水、そしてどのような天候にも耐えられる耐候仕様”であるという点だった。織り目がタイトで密度の高いこの素材自体が水の侵入を防ぐものだが、さらに防水加工が施してある。そのため雨粒を受けても表面で弾かれ、コートに染み込むことなく流れ落ちていく。
  
  バーバリー
  COURTESY OF BURBERRY
  1939年に作られたトレンチコートのディテール。
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  トーマス・バーバリーは自身が考案したギャバジンでアウターを手がける。年間を通して雨が多いイギリスには、さまざまなブランドがさまざまなアウターを生み出してきたという歴史があるが、当時はその多くがウール素材。その点ギャバジンは、季節を選ばず一年中活用できるという点で、とても画期的なものだった。「軽量で長く着られるものを作りたい」という彼の想いから、バーバリーのコートは生まれたのである。
  
  人々の活動に寄り添いながら生まれたデザイン＆ディテール
  『シェルブールの雨傘』
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  映画『シェルブールの雨傘』（1964年）ではカトリーヌ・ドヌーヴ演じるジュヌヴィエーヴがバーバリーのトレンチコートを着用。
  フロントがダブルで肩や胸元にはフラップが主張し、ウエストにはベルト……という特徴的なデザインで知られるトレンチコート。第一次世界大戦中に、国の要請を受けて戦場の兵士たちを守るために考案されたコートが原型となっている。その後、現在まで続くトレンチコートのデザインが完成された。
  
  首元のスロートラッチやベルトで調節可能な袖口は風の侵入を防ぐために設けられ、背中には雨水を体に触れることなく下へと流す屋根のようなストームフラップが。こんなふうに、ディテールデザインのひとつひとつが装飾ではなく実用性をともなうもの。戦場のコートがその後フィールドを変え、日常の衣服として長い歴史を築いてきたのは、こうしたことも理由のひとつになっているのではないだろうか。
  
  トレンチコートは50年以上にわたり、現在にいたるまでずっと、イギリスのキャッスルフォードに構える自社工場で手作業で生産されてきた。仕上げはハンドフィニッシュ。専属の職人たちが、一着一着をその手で縫い合わせ、完成を見届けている。
  
  多彩なバリエーションがそろう「ヘリテージ トレンチコート」
  長年受け継がれてきたこれらのオーセンティックなモデルは、「ヘリテージ トレンチコート」という名称で展開されている。それがわかるのは、内側のタグ。ロイヤルワラントの称号が入っているのは、このシリーズのみだそう。
  
  バーバリー
  COURTESY OF BURBERRY
  「ヘリテージ トレンチコート」のタグにはロイヤルワラント（英国王室御用達）の称号が入る。
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  ウィメンズのバリエーションは4型。セットインスリーブの「ケンジントン」を筆頭に、ラグランスリーブの「ウォータールー」、細身のシルエットでアームホールもコンパクトな作りの「チェルシー」、ラグランスリーブとコンシールボタンアップをフィーチャーしたソフトな仕立ての「カムデン」というラインアップ。一部のモデルにはレングスが3タイプあり、色はそれぞれ「ハニー」と呼ばれるバーバリー定番のベージュに、深いネイビーブルーの「コールブルー」、そして黒がそろう。どのモデルも裏地はもちろん、あのおなじみのバーバリーチェックだ。メンズモデルも全3型。大きめのサイズで女性が着こなすのもおすすめだ。
  
  
  
  
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  • 2024/02/18 18:45
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